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日本文化と新暦のずれ

昨日は「中秋の名月」でした。でも天文学的には、本当の満月は今日のようです。昨日見忘れた方は今日でも間に合いますよ。歳事と実際はだいたいずれが生じるものです。
ずれが生じると言えば、「中秋の名月」はその年によって9月だったり、10月だったりします。月の満ち欠けですから年によって違うのは当然かもしれませんが、もともと旧暦では「中秋の名月」は、8月15日と決まっていたのです。
日本の文化は、現代の暦以前の「旧暦」の下で形成されてきた部分がまだ圧倒的に多い。それを新暦(現歴)にて行うのであるから、これもまたずれがどうしても生じてしまいます。我々日本人は、太陽より月の方が身近に感じていたのでしょう。だから太陽暦である新暦と日本古来の文化との間にはどうしてもずれが生じてしまうのです。

私は歳事などの文化の強い行事は「旧暦」で行うのがいいと思っています。そうしないと過去の文化的遺産の意味が伝わらなくなってしまうと考えるからです。
例えば「正月」をなんで新春というか。とか昨日の満月をなんで「中秋の名月」と言うかなどです。

一年には「春夏秋冬」の四季があります。旧暦では三ヶ月毎に季節が変わり、

 「一・二・三月」は春、「四・五・六月」は夏、
 「七・八・九月」は秋、「十・十一・十二月」は冬

と分けられます。そしてそれぞれの季節に属する月には
 初・中・晩 あるいは、孟・仲・季 
の文字をつけて季節をさらに細分するのに使いました。たとえば旧暦四月は「初夏」あるいは「孟夏」となります(孟・仲・季の文字は中国では兄弟の年の順を表す場合に用いられ、孟は年長者、仲は真ん中、季は末っ子を表します)。
ですから、この季節の細分によれば、「八月」は秋の真ん中で「中秋」あるいは「仲秋」となります。

ただし、立春・立夏・立秋・立冬の様に直接季節と結びついているものは、旧暦より新暦の方がずれは少ないようです。

なお、来年の旧暦正月元旦は、新暦では2010年02月14日です。こちらのほうが「新春」にふさわしいように私は思いますけどね。
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