発生学的過程と性発達過程は逆の順序
男女の発生学的過程とフロイドによる男女の性発達過程が逆の順序になっていることはおもしろい。
発生学的には、人間の胎児は初めはみんな女で、そのうちの一部の胎児が男になる。それに対し、フロイドの性発達過程では幼児は女の子も男根期までは男のつもりでいるが、その時はじめて自分にペニスがないこと、或いは挿入するにはあまりにも小さいペニス(クリトリス)しか持っていないことに気付き依存対象を母親から父親へと切り換えて女として生き始めねばならない。
男女の性発達過程と発生学的過程とが逆であることは、なによりも性発達過程が自然ではなく、文化的、人為的である証左だと思われる。
自然は男より女を優先し、文化は女より男を優先させてきた。だから性欲の構築においては男の性欲に重点が置かれ、女の性欲は男のそれほどはっきりとした形で形成されなかったのではないだろうか。
構築される途中で方向転換をしなければならない構築物は弱いようである。生物学的には胎児の時期に方向転換をしなければならない男の成長過程の方が複雑でその為男の方が弱く、性欲については同じように幼児期に方向転換をせねばならない女のほうが複雑で混乱している。
発生学的には男は奇形化した女であり、フロイド理論では女は男になりそこねた男なのである。
| 性的SM論 | 11:03 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑