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愛と性の一致と分離

一般に、あくまで一般論であるが、女は愛と性が一致し、愛する男としか性交したがらないが、男は愛と性を切り離しており、別に愛している訳ではない女とでもためらいなく性交できるし、いやむしろ、愛していない女を次々とたくさん犯したがると言われている。

女の中にはこうした違いを知らず、愛する相手としか性交したくない自分を基準にして判断すると、女は、自分を愛しておらず、ただ自分の身体だけが目当てで近づいてきた男をそうとわからず、性交を求められたと言う事だけで、自分を愛していると誤解する事がある。そんな女がいるのかと思われるかもしれないが、精神心理学の本などにはそう思う女が意外に多くいると指摘しているのである。

彼女たちが世の中には女に関してその性器にしか用のない男、自分についても他の面には一切無関心で性器にしか用のない男がいると言う事を理解するのは、かなりの男体験をした後の事である。



さて、このような女と男の違いは、女は性交の結果、妊娠し出産して子育てをしなければならなくなるかもしれないので、滅多な男を相手に出来ないが、男は自分の種を出来るだけ広くまき散らしたいので、愛していようがいなかろうが、出来るだけ多くの女と性交したがるという説明がある。

また、女性器は身体の奥深いところにあるので、女は、気の許せる男でないとそこまで侵入させる気になれないが、男性器は身体の外部に付属品のようにくっついているだけなので、男は、それがどういう女の中に入ろうが、たいして気にとめないでいられるという説明もある。

また、女が愛する男としか性交したがらないのは、そのように強いられているからであって、男は自分の女が他の男の子供を孕み、自分の財産が他の男の血を引く子に横取りされるのを防ぐため、はたまた、女を独占的所有物にして支配欲を満足させるため、女に貞操の義務を課したのだ、やりたいようにやっていいのであれば、女だって多くのいろいろな男と寝たいのであるが、性的快楽を女が積極的に求めるのははしたないとか言われて禁止されているからだと説明される事もある。

これらの説明は一応それなりの根拠があるかもしれないが、しかし、女がなかなか愛と性を切り離せないのも、男が愛と性をたやすく切り離せるのも、もし本当にそうだとすれば、もしかしたら幻想(妄想)の問題ではなかろうかと思うのである。
女と男のこの違いの理由は、性に関して男と女がどのような幻想を抱いているか、男の幻想と女の幻想とがどう違うかという事に求める必要があるかもしれない。
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