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性のタブーの必要性

人間は、特に男は、性交が可能になる性器期に移行しても、不能に逆戻りする危険は常にあるから、この危険を防ぐ為にも性のタブーが必要だと言われている。
女がまったく性のタブーを欠いていて、恥ずかしげもなく目の前で大股を広げ、性交を強要してくれば、大抵の男は不能に陥るであろうと思われる。何故なら、こういう場合、男は内的な不能の危険を乗り越える時間的余裕を持てないからである。

男が、最終的には受け入れてくれそうでありながら、恥ずかしがってためらい、拒否しそうなそぶりを示したり、ちょっと抵抗して見せたりする女を好むのは、単なる趣味の問題ではなく、自分の内的な不能の危険を相手の女の拒否や抵抗という外的な障壁の形に外在化し、この外的な障壁を乗り越えるという形で内的な不能の危険を乗り越える必要があるからである。女が一つ小さな抵抗を解いて譲る度に、男は不能の危険を一つ減らすのである。こういう操作が性交の前の前戯に含まれていると思われる。
SMプレイなどはこういう意味での前戯を目的化したものではないのかと考えられないだろうか。

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