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鬼縄のSMブログです。淫靡な妄想の世界を彷徨っています。

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恋慕の未練

私は凌辱してやろうという淫靡な野望を胸に麻由美に電話をした。
電話に出た麻由美は相手が私であるのに気付くと、
「まあ、お久しぶり、よく電話して下さったわね」
と懐かしげな声を出し、私は一瞬、拍子抜けした気分になったのである。そして、あれだけお世話になっていながら、最近はろくにご挨拶もせず、申し訳なく思っています、と、まるであの当時の彼女に戻ったように若々しい声で語りかけてくるのだった。
とまどいやためらいが生じるのを私は振り捨てるようにして、
「会社が終わってから1時間ばかり暇はありませんか。ささやかなものですが、婚約のお祝いの品を差し上げたいのですが」
と、声を震わせて言うと、麻由美は、まあ、と嬉しそうな声を出し、私のアパートの部屋に招くと、
「是非、お伺いしますわ。ちょうど、今日はそんなに忙しくないのです」
と、言うのである。

もうこれで賽は投げられた、と私は思った。
麻由美に電話した時、あっさりふられることを私は心の片隅では願っていたかもしれない。やはり、今自分はとんでもない悪事を働こうとしているという恐怖感があったからである。それほどに気の弱い自分を自分で情けなく意識しながらこうして事が運んだ今となってはくそ度胸を付けるべきだと私はしきりに自分に言い聞かせている。こういう行動に出たのには麻由美に対する腹立たしさから湧き出た理不尽な復讐心と共に、いやそれ以上に麻由美に対する恋慕の未練があったからであるのは間違いのないところであった。美しい麻由美をあっさり医者の良一に取られることへの抵抗でもあった。どうせ良一に取られるのなら、その前にとことん麻由美を凌辱し、汚してから渡してやろうではないかという嫉妬心も大きな原動力となっていた。

約束の6時から2時間ほど遅れて麻由美は私のぼろアパートにやってきた。麻由美は相変わらず時間を守れないようである。
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