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鬼縄のSMブログです。淫靡な妄想の世界を彷徨っています。

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妄想の女

「夢の女」を忘れさせてくれたのが「妄想の女」だった。
「妄想の女」は「夢の女」と別れてからちょうど20年後に現れた女である。「妄想の女」のおかげで私は「夢の女」を乗り越えることが出来た。昔の女を引きずる男というのは、つまりはストーカーのようなもので、何事にも自信が無く、拗ねていてマイナス思考である。まさに鬼六の小説に出てくる男のようで、女に憧れているだけでまともに口もきけない情けない男なのである。
鬼六の小説では、そんな男がひょんなことから憧れの女を縛ることが出来る状況に恵まれる。だいたいは女に好かれてそうなると言うよりは、女の弱みなり、秘密を握って、時には金の力を利用して憧れの女を縛ることになるのだ。鬼六の小説の男はSというよりMの変形ではないのかとさえ思える。まさに私は「夢の女」を20年も引きずって、夢の中だけで女と戯れているような卑屈な男なのだ。こういう拗ねている男というのが、私の好きな性分でもあるのだけれど。だから立派なSは嫌いだし、またそういうSにはなれない私なのである。

そんな私に小説のように、理想とも言える女が現れた。降って湧いたようにである。その肢体は若く美しくしなやかであった。私が妄想し続けた情景をまるで映し出すように、その女は妄想を具現をしてくれる。そればかりでなくその心の機微というか内面までが美しく、しなやかであった。20年前の「夢の女」がなんとも陳腐な記憶に成り下がってしまうような女であった。おかげで私は自信を取り戻し拗ねることから解放されたかのようであった。ひがむことを忘れ、羨むことさえしなくなった。



私は又、「夢の女」と出逢ってしまった。忘れていたあの「夢の女」である。「夢の女」から20年後に現れた、私の愛した女が「妄想の女」となったからだろう。
現実の出来事は妄想となっていく。思い出というにはまだ生々しすぎる。しかし妄想は時と共に確実に夢となっていくのであろう。「夢の女」が再び現れたのはその序章だったのかもしれない。今から20年後に私は「妄想の女」を「夢の女」としているのであろうか。
おかげで私は鬼六の小説に出てくる男に、再び成り下がることが出来た。
ふふふふ。。。。
女を恨んで、妄想の中で女を自由にもてあそぶ男に・・・・・・。。

今度は「妄想の女」を引きずって、だらしなく生きて行かねばならない。多分もう次の20年後はないであろう。。。
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| 鬼縄のつぶやき | 07:26 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

こういう物語をご存知ですか?
昔、とても愛し合った男と女がいました。
二人は、些細な事から別れる事になりますが、
男は別れた後も女を思い続けます。
10年、20年、30年が過ぎても、
男は女を想い続けます。。
そして、齢も70歳を超える頃、
「男」と「女」は再び出会うのです。
運命の出会い!?
目の前に居る男が,
かつての自分の恋人だと
女のほうは一目見て気がつきました。
けれど、男は、、、
目の前にいる女の事を
自分が思い続けた「女」だとは気がつかず、
目の前に居る女に、自分が今でも恋している
「女」の話をするのです。
そして、女は、男の思い出を壊さない為に、
自分が当人である事を告げずに、
その場を立ち去るのです。
そういう物語、お好きなのね?^^。
新しい物語も、捨てがたい味わいだとか。。

| | 2008/03/19 00:32 | URL | ≫ EDIT

鬼縄です。
ロマンチックでもの悲しいお話で素敵ですね。物語としては好きですが、私が想う「夢」や「妄想」はもう少し低俗レベルです。
わかりやすく言えば「未練」であり、拗ねているのであってストーカー的です。過去を吹っ切ることができる出逢いがなければ、ずっと過去を引きずるだけのことで、確率論であり、比較論であり、打算的な心情ですので、投稿していただいたような素敵な物語とは比較になりません。
ただ「妄想の女」を吹っ切るのは並大抵のことでは出来そうにもないという予感は感じています。
出来れば自分が当人である事を告げていただいて、男の思い出を壊して貰った方が墓場まで引きずらなくていいような気もしますけど。

| 鬼縄 | 2008/03/19 17:42 | URL | ≫ EDIT

あら?勿論私でしたら、そういたしますわよ。
20年後に
ピップエレキバンをこめかみに張って、
愛しい男に逢いに行って差し上げますわ。
男の妄想を壊しに。ほほほ。
そう、お伝えしましたでしょう?。
木蓮は咲きましたね。
私の好きな沈丁花の香りも致します。
次回は貴方のご要望通り、K以外の料亭で対談しましょうね。
その時には、妄想壊しの第一弾として、
サルの着ぐるみでお伺いしますわ。
うっきー♪。
では、ご健勝で。。

| | 2008/03/20 14:30 | URL | ≫ EDIT

このロマンチックな物語を読み返していて、ふと疑問に思った。
この男は本当に自分が思い続けた「女」だと気付かなかったのだろうか。すれ違った程度ならともかく、昔の「女」の話をするくらいに、話し込んでいて、その女が今でも自分が想っている「女」だと気がつかないはずはないと思うのである。歳をとったところで、人はそれほど変わるものではない。もし本当に気がつかなかったとしたら、その男の「想い」は正に現実の思い出から乖離してしまっていたのだろう。
もしかしたらその男は、本当は気付いていたのに気がつかなかったふりをしたのでは無かろうか。
話は変わるが、私は小学校1年の時に「初恋」をした。初恋をしたことは鮮明に覚えているが、2年生以後の彼女の記憶が全くない。多分中学校までは同じ学校のはずであるが、彼女に対するその後の記憶が全くないのである。
最近中学校の同窓会でこの話をしたら友人が彼女を探しだしてきてくれた。やはり中学校までは一緒の学校であった。話をしたがあの「初恋」の思い出とはとうとう最後まで結びつかなかった。物語の男のように気がつかないということもあるかなと思った。
おかげで小学校1年の時の「初恋」の呪縛からは逃れることが出来た。
サルの着ぐるみでの「対談」を楽しみにしていますよ。

| 鬼縄 | 2008/03/20 18:29 | URL | ≫ EDIT















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