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女の出発点

もちろん、女の子も幼児期に全知全能である母親に支配される点は男の子と同じではあるが、母親は男の子ほどに女の子を支配しようとはしないらしい。 この理由に、女は社会的には男たちに、家庭内においては夫に支配されるのでその報復として男の子をより支配したがるという説があるが、どうだろうか。 女の子も母親に支配されるが、母親とは同性であるがゆえに、男の子と違って母親とは不能である関係にはならない。つまり同性がゆえに女性恐怖と不能が結びつかない。のちに依存対象を父親に切り替えてもその時点では父親を全知全能視する幼さはすでに脱しているので、男性恐怖が不能とは結びつかないのである。 男のマザーコンプレックスに対して女はファザーコンプレックスがあるように言われるが、私は女もやはりマザーコンプレックスの方が強いと思う。 ただ男のように不能状態とは結びつかないので表面に現れないだけではないのか。 乗り越えるべきはやはり女も母親なのである。 性倒錯は男のもので、女にはほとんどみられないという男女の違いを説明した、J・シャッスゲ スミルゲルの幼児性欲の多形倒錯が男の子は依存対象が異性の母親である為に性的刺激を受け倒錯傾向が持続され、女の子は性的刺激をある程度成長してから父親から受けるので倒錯傾向を持ち越さないという説には納得がいかない。 ただ幼児性欲の多形倒錯時に異性から刺激を受けるか、同性から刺激を受けるかの違いによる性的刺激の程度の差が性倒錯の差に影響を与えているかもしれない。
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