絶望の日々
彩の恥かしい写真をネタに彩を脅し、1ヶ月に1度彩を呼び出す愉悦を私は楽しむことが出来る。それというのもこの写真があるからである。この彩の痴態を写した写真を彼女の妹に見せたらどうなるであろうか。何も知らない彩のフィアンセに送りつけたらどうなるであろうか。
そんなことは彩が一番良く知っているはずである。
ふふふ。。。。。
「もしもし。。
彩さん?
今月は21日でいかがですかな?」
電話の向こうで彩が息を呑むのが手に取るように分かる・・・・・。。。
プライドの高い美しい女をいたぶるのは楽しいものだ。
「そ、その日は予定がはいっているのです・・・・・・」
案の定、彩は何とか私の申し入れを先に延ばそうとする。私と会ったならどのようなことになるかを、彩は充分承知しているから、この抵抗は当然と言えば当然の反応だ。しかしなんともはかない抵抗だこと。なにしろ私の手元には写真があるのだ。彩もこの事実を無視することは出来ない。私に逆らえばどのようなことになるかは、彩が一番承知しているのだ。
この写真が私の手元にある限り、彩は私に逆らうことは出来ないのだ。
しかし、強引に予定を変更させても面白くない。それでは私の美学に反するというものだ。彩が自ら予定を変更して、私に会いに来させなければ情緒に欠けると言うものだ。
私はこれでも「美学」や「情緒」というものを大切にしている男なのだ。多分に勝手なものではあるがね。
「ふふふ。。。。
そうですか。。。。。。
ではいつなら彩さんのご都合がよろしいのかな?
言っておきますが、私にも都合というものがある。貴女の都合ばかりに合わせてはいられませんよ。
21日の彩さんの都合が悪ければ、私は妹さんとお食事をしてもいいのですよ。妹さんのご都合をお聞きしてみようかしらね。」
私は持ち前の執念深さと鋭い勘によって、彩の妹とフィアンセの職場を突き止めていたのだ。どういうわけかこの手の才能には長けている私なのだ。
人というものは、たわいのない会話の端々にヒントとなるキーワードを無意識に口にしてしまうものだ。その為に私は責める前に、獲物となる女を食事に誘うのである。その時は彩もまさかこんな事態になるとは思ってもいなかっただろうから気を緩めていたのだろう。
「あぁ・・・・・・・。」
何故こんなことになってしまったのだろうか。
鬼縄という男に何故関わってしまったのだろう・・・・。
鬼縄という男が、ここまで卑怯で卑劣だったと思わなかった己が彩は憎かった。
家族の窮地を救う為とはいえ、SMを利用しようとして、SMでは名が通っている鬼縄にその力を借りた自分が馬鹿だった。いくらかの鬼縄の気にいるプレイをこなせば、それでこの男とは縁が切れるはずだった。ここまで自分がしゃぶられるとは思ってもいなかった。一体いつまでこんな地獄のような日々を重ねなければならないのか。
彩は絶望感に、その場に座り込んでしまった。
「もしもし?彩さん?
どうなさったのかな?私は貴女のご都合をお聞きしているのですよ。。」
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